8月3日放送の私が出演している「ラジナビ」で、「国語の力を上げる一番の方法は新聞を読むことだ」と言いましたが、時間が短すぎたので補足をしておこうと思います。

 

まず、新聞がなぜよいかですが、

①話が短い

②語彙や文法の難易度が高くない(中学生には少し難しいが、だからよい)

③日本語の文として正確なので正しい日本語が身につく

④テーマが多岐にわたっており、知識が豊富になる(あるいは興味のあるテーマを見つけやすい)

⑤社会問題への関心が高まる

⑥多様な視点で物事を捉えられるようになる(新聞社によって偏りはあるものの、対立軸のあるものは基本両面併記しているため)

といった点が挙げられます。

 

普通の読書も悪くはなく、好きであれば読んでほしいです。ただ好きでない場合は仮に読んだとしてもあらすじだけわかればよいと早読みしてしまいます。これだと少し読んだくらいでは国語力は身につきません。なにより読書で読む本はたいてい小説ですが入試で出る多くは論説文や随筆です。

 

一方、新聞はじっくり読まないと何が書いているのか理解できませんし、読解力はもちろん、その時に使う頭は論理的な力も養います。また、その時知った語彙や日本語の使い方は小説よりも国語のテストや実生活に役立ちます。さらに新聞で書かれることは考えさせられるテーマも多いので思考力も自然に身につきます。

 

ちなみに来年から実施される新学力観はそのほとんどを新聞で身につけることができます。つまり新聞を読むことは国語だけでなく、5教科すべてに役立つのです。

 

ただ大事なのは「新聞の何を読むか」です。

よく、「天声人語などの一面コラムや社説を読め」と言われますが、これらは前提知識がないと何が書いてあるのか理解できないのでお勧めしません。中学生でも読んだ方がよい「当たり」の回もありますが、これらを読むのは高校生になってからでよいと思います。

 

中学生の正しい新聞の読み方は、「最初から最後までのページの見出しだけを見て、自分が興味を持ったところだけ読む」という方法です。1週間毎日見出しを拾うと必ず引っかかる記事が出てきます。まずはそこだけで構いません。それを続けると読む記事はどんどん増えていきます。もちろん読解力が低いお子様であれば保護者の方がサポートする必要があります。

 

先程「記事」と書きましたが、記事よりもっと読んだ方がよいのは「国際面以降にあるコラム」や「記者の雑記的なもの」「悩み相談」などニュース記事以外の文章です。ニュース記事と比べこれらの文章は結論があるため、そこだけ読んで話が完結します。特に中学生の場合、「国際・教育・家庭・スポーツ」のそうした文章は関心を持ちやすいので、そこは意識的に読めばよいと思います。興味があれば科学面もお勧めです。

 

ちなみに私が中学生の時は教育面と家庭面は必ず読んでいました。国際面の記者のルポも勉強になった記憶があります。そんな私の国語のテストは教科書を読むことと漢字文法を勉強するだけで毎回80点以上取っていました。

 

あと、真似はしなくていいですが、当時親が購読していた新聞は私にとって思想的に合いませんでした。そのため「読者の声」欄も欠かさず読み、「こいつ何言ってんねん」「お前の意見はここがおかしい」と批判的に読んだりもしていました。

 

一方、政治・経済面はほとんど理解できませんでした。これらは前提知識がないとわからない場合が多いです。ただ、昔と違い今はわかりやすくニュースを解説してくれるテレビ番組が多いです。そこで理解をしてから新聞を読ませると読めるようになるのではないでしょうか。もちろん保護者の方が助けるということも大切です。

 

また、新聞の内容をまとめた文章を書けば「要約力」や「表現力」がつきますし、さらに自分の意見も書けば「自己の論理性」や「自己主張力」も身につきます(もちろん正しい文章を書ける人が添削する必要はあります)。

 

結論ですが、新聞が読めるようになると「国語力・読解力・思考力・社会に対する意識」が身につきます。保護者の方に限らず、将来の人材の育成を考えた時に「新聞が読める中学生」と「読めない中学生」のどちらを望まれるでしょうか。

 

しかし新聞を取っていない家庭は多いです。ネットニュースは子供には向きませんし、テレビも映像の印象は残りますが内容はあまり残りません。個人的には小学5年生から高校3年生までの8年間は子供のために新聞を取った方がよいように思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。