奈良県立大附属高校の開校延期のニュースも大きかったですが、先週15日の公立高校普通科再編のニュースはそれ以上に大きなものです。

 

簡単に説明すると、いまある公立高校の普通科を「普通科」「学際総合学科」「地域探究学科」の3つに分割するというものです。目的は「大学に行くつもりのない生徒が普通科で学習する意義は薄く、多様な学習をさせた方がよい」ということです。現在のところ実施の対象は今の中学2年生からとなり、経済界からの要望もあるため予定通り実現されると思われます。

 

各高校がどのように対応するかはまだわかりませんが、学力で区分した場合、上位校は普通科のみ、中位校は各コースが混在、下位校の普通科は無くなるのではないかと思われます。

 

国は以前から公立高校の特色化(今回の再編やそれ以外の特色コースの増加)を目指していたので私は驚いてはいません。

2019年5月7日のブログ

国が動いています ~高校特色化へ~

 

私は以前から特色化自体は賛成で、過去にも同様の主張をしています。ただ同時に中学生に対する意識付けを行い、興味を向けさせないと混乱しか生まないと繰り返しています(詳しくは上のリンク先のさらにリンク先をご覧下さい)。

 

今回の動きに対し、2点問題を指摘しておきます。

 

1つは、全国の中学校は知りませんが、地元の中学校はこの大きなニュースを生徒に伝えていません。特に最初に対象となる2年生には必ず伝えないといけない大ニュースです。このまま中3になるまで放置するつもりでしょうか。大して情報も与えられず先行き不透明なコースに積極的に行きたいと思う中学生がどれほどいるでしょう。中学校だけでなく、高校も県教委も国も必死になってアピールしないと、1つの高校に3つのコースが混在すれば、大幅に減った普通科に受検者が集中する恐れは十分あり得ます。

 

2つ目は、以前から指摘しているように、来年学習指導要領が変わりおそらく入試問題も大幅に変わります。特に英語の新しい教科書への強引なスライドは新中3にとってついていくことすら困難な内容です。そうした混乱が目に見えている年にこんな大きな変更は混乱をさらに増すだけです。

 

改めてまとめますが、現在の中学2年生は

①現中3より人数が多い。→定員を増やさないと競争率が上がる(奈良県だけかも知れませんが)。

②コロナによる経済不況。→公立の人気が高まり、競争率が上がる可能性。

③普通科人気が明らかな中で特色コースを増加するも生徒を集める努力が足りない。→少なくなった普通科に受検者が集中する可能性。

④コロナによる今年度の混乱。→中学生としてふさわしい夏休みが過ごせない(特に私の地元の中学校)。教科書が急速に進み理解が十分でないまま中3になるおそれ、あるいは来年への持ち越しの可能性。

⑤来年度の教科書変更→特に英語は今年度の内容が理解できなければ来年の教科書は全く理解できない。他の教科も覚える量は変わっていないのに思考力や判断力の強化が追加される。それに合わせ入試問題も大幅に変更される可能性。さらにコロナにより中2の内容が年度内に終わらなければ中3の内容は到底消化しきれない。

⑥今の中3はコロナに対する配慮をしてくれるが来年もしてくれるとは思えない。

 

といった問題があります。

 

同じことばかり言っていますが、文科省が具体的に学習量を減らし、すべての教育行政が特色科のPRを積極的に行えばすべて解決するのです。ただそれを行わなければ「過去に例を見ないほどの惨状が今の2年生に襲いかかる」ということは言い過ぎではないと思います。

 

よろしければYouTubeもご覧下さい。以前上げたものを再編集しました。

【ブログ用再編集】データでわかる公立高校の特色コースが人気の無い理由

https://www.youtube.com/watch?v=8uNVHatY2r4

 

最後までご覧頂きありがとうございました。