私は以前から中3より中2の方がかわいそうだと伝えています。その理由の1つが、来年の学習指導要領の改訂です。覚えるべき量が減っていないのに思考力だの判断力だの活用する力だのをつけろと文科省は指示しています。

 

そして一番ひどいのが英語です。学習単語は小学校からを通すと1200語から2400語に倍増しますし、これまで高校で習っていた「現在完了進行形」「原型不定詞」「仮定法」を新たに学習することになります。

 

これらは今年から始まった小学校の改訂で5年生以下の学年が進めていく過程であるのに、上の学年も同じように習っている前提で教科書が変わります。

 

つまり今の中学2年生は900語ほどしか習っていない状態で2400語の教科書になるわけですから1年間で1500語を学習する羽目になります。もちろんすべてを覚える必要はないですが、今の中3よりは遙かに多い英単語を学習することになります。

 

そしてそれ以上に問題なのが文法です。今図書館で新しい教科書が見られるので見てきたのですが、中3のLesson1が「現在完了進行形」でした。

 

はっきりいって無茶苦茶です。現在は中3のLesson2とLesson3で「現在完了形」を習うのですが、今の中2はそれを習うことなく中3になったらいきなり「現在完了進行形」を習うのです。もちろん中3の教科書を始める前に学校は「現在完了形」を教えるでしょう。しかしもともと2単元を使って教える内容をきちんと理解させるだけの時間は取れるのでしょうか。今はコロナのせいで今年の内容も終えられるかわからず、文科省も「翌年に持ち越していい」とすら言っている状態です。

 

そして3年から2年に降りた内容は「現在完了形」だけでなく「第5文型」や「It-for…to~」もあり、それらも教えないと3年の教科書には入れません。さらに「原型不定詞」「仮定法」といった今年まで高校生がしていた内容もしないといけません。「翌年に持ち越し」なんてできるわけありませんし、コロナがなくても処理できる量ではありません。

 

これらを総合すると文科省は何も考えていないことがわかります。少なくとも「子供がこなせるかどうか」については全く考えていません。「英語の改訂問題」も地方に丸投げすればよいと考えているのでしょうか。そもそも「学年の途中で教科書を変える(学習内容を変える)」ことを当たり前に考えている時点で問題があると思います。

 

しかも今年の3年は学習内容や入試の出題範囲で配慮がありますが、来年そうした配慮があるとはあまり思えません。だから今の3年より2年生の方がかわいそうなのです。

 

現場の英語の先生はどのように感じておられるのでしょうか。そしてもっと世間で大騒ぎしないといけない事案だと思います。

 

私は今45歳でゆとり教育が始まる前の世代です。「詰込み学習」が問題視されていた世代です。当時の学習量ははっきりと覚えていませんが、「今の」中学生と同じくらいだと思います。ただ英語に関しては「リスニング」と「スピーキング」が増えている分、今の方が多いと思います。来年からは全教科の負担が増え、特に英語が恐ろしく増えます。

 

コロナ渦でも学習内容を減らさず無理矢理教科書を終わらせようとしていることからもわかりますが、国は子供を勉強漬けにさせたいとしか思えません。個性を伸ばし多様な人材を育てるという気はなさそうです。

 

断言します。少ないなりにも毎年中学生を見ているのでわかります。今後、学校の授業についていけない子供が大量に出てきます。勉強嫌いな子が今以上に増えます。自信を失い将来に何らの希望も見いだせない子供があちこちで現れます。

 

今の子供達は私が子供だった時と価値観がまるで違います。彼らに詰込み学習をさせてはいけないし、またできません。彼らを潰してしまうと将来の日本が潰れるということに国は早く気がついてほしいです。

 

私は「5教科の学習内容を根本的に見直し、覚えないといけないことを大幅に減らしたうえで思考力等を強化し、高校を学力別に分けず専門性で分ける」「全員一律に同じ学習をさせず、中学から一部の授業で選択授業や習熟度別学習を行う」ことが今の日本に必要だと思うのですが、指導要領を大幅に変えたばかりなのでどうすることもできないなと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。