6月11日木曜日、大きな動きが2つありました。1つは公立高校の入試範囲の変更、もう1つは地元の中学校の今後の予定の発表です。今回は2つ目の話です。

 

まず文科省は「3月卒業」をさせ、かつ「学習を可能な限り行わせよう」と「夏休みを削る」よう指示しました。それを受け市教委は夏休みを8月1日から16日までの16日間としました。それだけでも問題なのですが、その市教委の決定を受け、地元の中学校は17日に始業式、そして翌日に1学期の期末テストを持ってきました。市教委は「7月か8月に行う」ように指示していたのですが、こうなることを予想していたでしょうか。

 

誰がどう考えても「夏休みの2日後にテスト」はおかしいと思うはずです。春休みのなかった彼らに、そしてただでさえ短くなってしまった夏休みに、「テスト勉強をしろ」と。何より、慣れない環境下に置かれ身も心も疲れ切っていると思います。最初の週はクラブ活動があるでしょう。教育委員会も学校も「休ませる」という発想はないのでしょうか。

 

それだけではありません。

1学期はこの1回のテストだけで成績がつきます。3年生は内申の1/3がこのテストでついてしまい、2年生の分と合わせると2/3が決定します。これだと内申が気になって夏休みは期末テストの勉強だけをし、受験勉強ができなくなります。

1・2年生にしてもテストの直前がお盆です。コロナの今の状況だと帰省や家族旅行ができるのに、それも叶わなくなります。もし冬に強烈なコロナが再来したら冬休みも帰省や旅行ができなくなります。さらに「夏に帰省や旅行をさせない」ということは景気回復の足かせにもなります。期末テストを夏休み明けに行うということは「日本経済を悪化させる」ことにもつながるのです。

 

これはただ事ではない判断と思い、その中学校に問い合わせました。すると校長が応対をして下さいました。なお、部外者である私にとても丁寧に説明して下さったことはここに記しておきます。

 

 

「副教科の評価材料が揃わない」「慌ただしい中でのテストとなるのでじっくり取り組んでもらいたい」という理由でテストを夏休み明けに持ってきたそうです。

 

皆様はこれをどう捉えるでしょうか。

納得される方もおられるかもしれませんが、私は全く理解ができません。

 

1つ目の「副教科」ですが、授業ができない夏休みにどんな材料を揃えるというのでしょうか。授業関係であれば夏休みの前でも後でも変わらないはずです。また、副教科なので実技や製作を間に合わせるということなのかも知れないですが、テストは先にできるはずです。また副教科のテストだけ夏休み明けにすることもできるはずです。主教科のテスト勉強をしないといけないうえに、副教科の実技もさせるのであれば夏休みは完全になくなります。

 

2つ目の「じっくり取り組んでもらいたい」ですが、なぜこのテストだけじっくり取り組む必要があるのでしょう。普段テストの前に休みはありません。今年が特殊であるとしても2学期も過密スケジュールで、この理屈だと2学期のテスト前も休みにしないといけないことになります。そして休校中とはいえ、4月5月も勉強はしていたので学習期間としては充分すぎるくらいあります。夏休みになると多くの生徒の緊張が切れます。勉強する子はするでしょうが、勉強量が普段より減る子が通常のテストの時よりは間違いなく増えます。テスト前とはいえ夏休み中に家庭でそんなに勉強ができるとは思えません。

 

何よりテスト前にわからないことがあった場合生徒は誰に質問すればよいのでしょう。夏休みに先生に出勤させるのでしょうか。先生方はこれまで通常ではない激務をこなされています。先生方も休ませないと過労死するおそれがあります。逆に学校がテスト1週間前に何の対応もしないのであれば無責任すぎます。

 

さらに付け加えるなら、塾はふつう夏休みに「夏期講習」を行いますが、塾の対応によっては、子供は「ものすごく過度な負担」を負うことになります。また、地域のクラブスポーツをしている子供はどうでしょう。ただでさえ夏休みが16日しかないのです。テスト前でもお構いなしに活動させると思います。そんななかテスト勉強を「じっくりと」取り組めるでしょうか。

 

「そんな外部のことは知らない」でいいでしょうか。学校は子供の多くが塾に通い、クラブスポーツをしている子供もそれなりに多いことを知っています。夏休み前にテストをすればそうした問題も起きないのです。

 

そこまで夏休みに勉強させたいのなら「夏休み」という言葉を使わず「夏季家庭学習期間」などに変更した方がよいと思います。

 

 

ただ、こうなってしまった背景は「文科省が学習内容の削減を具体的に明示しなかった」ためで、すべての元凶はここにあります。しかしそうした中での学校の判断も正しかったとは思えません。私は夏休み前にテストをすべきだと思いますが、夏休み明け1週間後という選択もありました。そのいずれも採らなかったのは、「公にできない他の理由があったのではないか」と思わざるを得ないのです。

 

 

前回と合わせてですが、教育行政は「子供を守る」立場ではないのでしょうか。その選択が「子供を苦しめる」ことになってはなりません。私は教育行政に限らず「社会全体が子供の健全な成長のために協力するべき」だと思っています。それなのに教育行政がこれであれば「日本の将来は終わった」と言っても言い過ぎでないかも知れません。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。