産経新聞社さんに掲載されたこともあり、久しぶりにこのテーマを取り上げようと思います。

 

まず話の前提として、奈良県にお住まいの方ならご存じかと思われますが、中学生を対象とした模試で最も信頼されているのが藤井書房さんのふじい模試です(ハイレベルの受験生の方ですとそうでもないかもしれませんが)。ふじい模試は歴史もさることながら受験者が多く、特に11月の模試は公立一般入試と変わらないほどの受験者数となり、私もその受験者データは信頼に値すると思っています。そしてそのデータを昨年と比較してみると様々なことが見えてきます。

 

なお、数値を用いるにあたり、データの一部を変える必要があります。11月の受験者数ですが、昨年が5779人、今年が5513人と約5%減少しているのに対し、公立中学の三年生(中高一貫の青翔中学を除く)の総数は11100人から10970人とほとんど減少していません。そのため昨年の各校別の第一志望者数を95%に減らします。

 

また、今年の三年生が去年と同じ行動パターンを取った場合どのような結果になるかも計算してみました。それらの結果がこちらです。(スマホだと見づらいもしれません。ご容赦下さい。)

 

11月藤井分析表

<この表からわかること>

まず、増減を見ると、奈良高校の志望者が減少しているのは耐震問題の影響と思われ、それが畝傍や郡山の増加につながっていると考えられます。問題なのが平城です。志望者が大幅に減るのは予測できたことですが、減少した131人はどこを第一志望にしたのでしょう。少しは郡山へ流れているように見えますが、下を見ても目立って増えているところがありません。むしろ一条などは減少しています。普通に考えて平城レベルの子は高田・一条・奈良北に変更するはずです。すると、本来高田・一条・奈良北を第一志望に考えていた子が志望校を下げたとしか考えられません。そのために橿原・桜井・登美ヶ丘が増加したのではないでしょうか。さらに法隆寺国際が極端に増加しているのも上から降りてきた子によるものと考えられます。

 

一条が減少しているのは毎年倍率が高いうえに平城からの流入予測で相当な高倍率になると判断し、最初からあきらめたのではないかと考えられます。生駒が減少しているのが意外で理由がよくわかりません。ただこれも、「今年の生駒は上がる」と言われてきたのでそれを避けた結果なのかもしれません。香芝も同じような理由かもしれません。一方、学校そのものが変わる(廃校となるが建物はそのままで別の高校になる)登美ヶ丘と西の京の増加については、それをあまり気にしていないのかむしろ好意的にとらえているのか、あるいは人気が無くなると踏んで選んだのか、結局のところよくわかりませんが、おそらくはどれもあるのではないかと思います。

 

次に倍率ですが、これはもちろん昨年と同じ増加割合を用いた場合なので、この通りになる保障はありません。ただ仮にこの通りになったとしたら、奈良高校がまさかの定員割れ。さらに平城の影響も合わせて畝傍・郡山・高田がかなりの高倍率に。また、高校再編の影響を最も受けるのが桜井と法隆寺国際であることがわかります。そして最も問題なのが、入りやすい高校と入りにくい高校が極端に分かれているということです。次の表はそれをわかりやすくするために、倍率の高い順に並べ直し、さらに昨年との比較をしたものです。何度も言いますがこれは受験者が昨年と同じ行動をしたときの予測値です。

 

2019公立一般受験者予測

実際の入試がどうなるのかはわかりません。しかし可能性としてこのようなことも起こり得るということです。またこの結果によって最終的に違う高校に集中する可能性もありますし、受験生レベル(どの学力レベルの子がどこを受験するのか)も従来の予測が成り立ちません。受験生は自分の受験する学校に人が集まらないことを祈るしかなく、志望校選びが運試しのようにもなりかねなくなるのです。耐震問題も含め、自分達の都合だけで物事を進め、当事者である子どもを全く見ていない教育委員会の罪は本当に重いと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。