「自学力」を育て「伸びしろ」を最大限に引き出します。

塾長ブログ

エステルってこんなとこ①

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月30日 

「次のブログは月曜日から」と前回の最後に書いたのですが、

金曜日に予想し得ないことが起こりました。

中学生はテストが終わったのでお休み。

そこへ入れ替わるように今年卒業した子達がやってきたのです。

事前に3人来るというのは聞いていたのですが、その数6人(卒業生は5人ですよ)。

来週から期末テストだそうで、キャッキャ騒ぎながらもまじめに勉強をし、

たまたまあったアイスなども食べたり、同窓会みたいな雰囲気でした。

写真を撮らなかったことを激しく後悔…

 

驚くべきは、去年事情があって途中で辞めた2人の子も来てくれたこと。

受験をする時は別の塾に通っていたのですが、心はずっとエステルにあったという2人。

彼らは合格祝賀会にも来てくれていました。

それだけ雰囲気の良い塾だということがおわかり頂けるかと思います。

 

ともかく、みんなが元気で、高校生活を楽しんでいる様子が伝わったのが何よりでした。

またいつでも遊びにおいで。ただ、来る時は事前に教えてね。

 

公立高校の再編問題⑥ ~最悪のケースを避けるために~

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月25日 

前回書いたように特に今年は生駒高校と法隆寺国際高校に集中する恐れがあるので、それを回避することをすでに考えておく必要があります。

 

ただそれは最後に書くとして、最初はそれ以外の将来的な回避の仕方を3つ考えます。

 

1つ目は、特色の重要さや魅力をもっと早い時期から浸透させることです。まだ将来のことをあまり意識していない中1の時から特色を選択肢として考えられるようにすれば状況はかなり変わると思います。ただ、特色の学習はそれが本当に好きでないと価値がないこと、その先の進路が見えにくい(あるいは固定されやすい)こと、相変わらず学閥や大学OBなども含めた学歴による人選が社会に残っていること、大学の改革も成功するかどうかわからないこと、などから当分の間は相変わらず普通科人気が続くような気がします。

 

2つ目は、2回前のブログで書いた、「上位3校以外の高校はすべて特色にし、誰もが自分のしたい勉強を重点的にできる体制にする」という方法。強引な気もしますが、選択肢が特色しかなければ特色を選ぶ以外ないですし、何が自分にふさわしいのかを真剣に考えるようになります。誰でも好きな教科の1つくらいはあるので、選択肢が無いということは無いと思います。誤解を恐れずに敢えて言うと、中の上以下の学力レベルの子は中学校の学習内容が身についているとは到底言えません。そのような子が高校へ行っても勉強が苦痛なだけで、何をしに高校へ行っているのか、ということになります。うちの塾の卒業生でも都道府県名を知らずに生駒高校へ行った子がいます。ただその子は理科がとても得意だったので、もし理科の特色がもっと多くあれば、その子はその中から高校を選んだでしょうし、学校生活も今以上に満足できるものになったと思います。また、中学生の時、勉強が大の苦手で奈良朱雀の商業科へ行き、簿記の勉強をしにまたここへ帰ってきた子がいるのですが、見違える姿で勉強に取り組んでおり、特色の価値を感じずにはいられませんでした。

 

3つ目は、私立も含めた高校の無償化です。国は大学の進学率をさらに上げるため大学を無償化しようと(もちろん条件付きで)現在取り組んでいますが、おかしな話です。大学は大学へ行ける人が行くところなのに対し、97%以上の中学生が進学し、ほぼ義務教育のような高校をなぜ無償化しないのでしょうか。定員割れしている私立高校(併願の戻りが少なく、明らかに人数が少ない学校)もあるので、私立高校が無料になれば当然そちらにも生徒が流れ、その分公立に余裕ができます。さらに公立に落ちても私立に行けるのなら保守的な子も実力相応の高校を受けることになりますし、背伸びしてチャレンジする子も出てくるでしょう。中途半端に大学に渡すお金があるのなら私立高校に回すべきです。結果として潰れる大学も出てくるでしょうが、むしろその方が国家にとっても社会にとっても良いと思います。いつか書きたいのですが、いろんな意味で日本大学に助成金は必要ないと思います。

 

 

最後に、生駒高校と法隆寺国際高校に集中させない、今年でも可能で、かつ、たった1つの方法を書きます。

 

それは中学校の先生方の努力しかありません。なんだかんだいいながら、中学生に最も影響を与える人は中学校の先生です。私も何年かこの仕事をしていてつくづく思います(それ以前にうちの塾生が少なすぎるということもありますが)。そのため、中学校の先生方には新しくなる学校がどれだけ素晴らしいのかを今からでも説いて頂いて、少しでも3年生の気持ちを変えて頂けたら、共倒れもなくなり多くの3年生が救われることになります。3年生の動向がわかってからだと「調整のために言ってるんだ」と見透かされ、「その高校へ行きたい」という気持ちがないまま生徒を動かすことになります。そうなると、もし倍率的に調整できたとしても子供たちにとって幸せな話にはなりません。

 

 

公立高校の再編問題については以上です。本当は塾の紹介から始めるつもりであったところを、タイムリーでしたのでこちらを優先したのですが、ここまで長くなるとは思っていませんでした。全てをご覧頂いた方に感謝を申し上げます。

 

このブログは中学3年生・2年生および保護者の方に向けて書いているつもりなのですが、正直どの程度参考になったのかは自分でもよくわかりません。ただ、現在塾選びをされている方に「この塾の塾長はこんな考えの人なんだ」ということが伝わり、塾選びの参考にして頂けるのであれば幸いです。また、ご意見やご批判のある方にはコメント欄がございますのでよろしければご投稿ください。なお、内容によっては公開させて頂きますので予めご了承ください。

 

まもなく期末テストですので、ひとまずブログは休ませて頂きます。週明けから再開させて頂く予定ですので、引き続きご覧頂ける方はよろしくお願い致します。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

公立高校の再編問題⑤ ~考えられる最悪のケース~

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月22日 

※今回は高校の名前がたくさん出てきますので、○○高校の「高校」はすべて割愛させて頂きます。

 

5回目のブログ(公立高校の入試改革①)で「今年の入試はかつてない恐ろしいことが起きるかもしれない」と書きました。今回はこの再編問題と入試改革が引き起こす最悪のケースについてです。

 

 

まず単純に、大きな改革をすると生徒の側は保守的になる傾向があります。つまり実力以下の高校を受ける子が増えます。

 

また、新しくなる学校や無くなることがわかっている学校は敬遠されやすくなります。つまり何も変化のない学校に集まりやすくなります。

 

特色が増えるということは普通科の定員が減ります(ただし今年に限ってはその心配はないですし、変更される学校も高円以外は普通科を残すと思います)。ところが、普通科の定員が減っても学力レベルが法隆寺国際以上の中学生の大半は普通科へ行こうと考えます。

 

さらに、一条(普通科)は奈良市と生駒市の人しか通えませんし、もともと人気の高い学校なので最初から避ける人も多く出ます。奈良北は残念ながら相変わらず人気がありません。法隆寺国際は元々普通科の定員が少ないので少し人が集まればすぐに倍率は高くなります。生駒は最近クラブの魅力が高くなっていて、クラブを理由に生駒を選ぶ子が増えています。

 

そのうえ、その他の傾向として、ここ2~3年、競争を嫌がるのか落ちることを恐れすぎているのか受験勉強に価値を見いださないのか、とにかく安全志向の強い子が増えているようで、奈良高校を受験する子が減っていたり、「平城に合格できそうな子が落ちるのが嫌だから生駒を受験する」、といったことも昨年塾生から聞きました。

 

最後に、今年の3年生の数は昨年と比べ100人ほどしか減っていません。これは昨年とほぼ同数と考えてよい数字です。

 

これらを総合すると、本来郡山を落として平城を受験する子が一条に、平城を受験する子が、一条と生駒に(もちろん高田にも)、それを恐れた一条を受験する子が生駒に、登美ヶ丘を受験する成績上位の子が生駒に、中間や下位の子が西の京を飛ばして法隆寺国際に、西の京や高円を受験する子が法隆寺国際に多く流れることが予想されます。(県立大附属(今の西の京)が内部進学で県立大に行けるのであれば話は少し変わるでしょうが。)

 

つまり、このまま放置すれば生駒と法隆寺国際に受験者が殺到する可能性が高くなります(平城が無くなるので一条のレベルがかなり上がるのは仕方が無い)。それは通常なら合格できる子が合格できなくなるということを意味します。これに入試問題も大幅に変わるわけですから、状況は混沌とするばかりで、もしかすると受験校を下げてきた子も落ちることがあるかもしれません。

 

確かに競争は必要だと少し前に書きました。しかし物事には適正というものがあり、後のない公立一般入試で倍率1.5倍以上は高すぎます。かつ同レベルの学校で倍率が大幅に異なる不均衡な競争もあってはならないことです。なぜならそうした事態はそれを引き起こした側に問題があるからです。事件が相次ぎ、一昨年定員割れを起こした奈良北がよい例です。もし生駒の倍率が1.5倍を超え、登美ヶ丘が定員割れするなどしたら、明らかに再編問題が原因ですので、教育委員会は責任を取って生駒の不合格者の成績上位順に登美ヶ丘の定員不足分まで入学を認めるといった救済措置を執る必要があるでしょう。

 

想定できる範囲(私の実際の予想とは違います)として、今年の奈良県北部の合格最低点の高い順は

奈良 → 郡山 → 一条 → 生駒 → 奈良北 → 平城 → 法隆寺国際

→ 登美ヶ丘 → 西の京 → 西和清陵 → 高円

になる可能性もなくはありません。

 

あくまで最悪の想定で、実際は全く違う結果になるかもしれません。もちろん受験とはその年によって状況が変わるものですし、高校の入試難易度の序列も5年10年単位で変わっていくものです。しかしたった1年で激変することになってしまえば、これまで生駒や法隆寺国際を目指していた子がかわいそうでなりません。高校は「その高校に本当に行きたい」と思っている人に行ってほしいです。今年の中3生には頼みの綱は1つしかないと思っています。次回はそれを書こうと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

公立高校の再編問題④ ~特色高校増加の問題点~

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月21日 

今回は公立高校の再編において高校の特色強化を明らかにしていることについてです。

 

よくご存じでない方のために、奈良県の公立高校では普通科以外にある特定の専門教育を重視した専門コースを設けており、その選抜試験のほとんどが「特色選抜」という名称で試験を行うことから、専門コースのことを一般に「特色」と呼んでいます。

 

「特色」は工業や商業、農業といったいわゆる「手に職」をつけることを目的とすることが多く、どちらかといえば学力レベルの低い学校に多くありました。特に近年はそのような学校が次々と普通科を減らし、「特色」を増やしている傾向にあります。一方で、学力レベルの高い一条高校や奈良北高校などにもあり、外国語や数学、理科など特定教科を重点的に勉強しています。

 

この特色化の流れが非常に強くなり、改めてになりますが、今回の再編では登美ヶ丘高校が国際高校に、西の京高校が奈良県立大附属高校に(奈良県立大学は地域創造学部しかないので、現在西の京高校にある「地域創生コース」を拡大するものと考えられる)、芸術コースの多い高円高校が芸術高校になることが発表され、奈良北高校も数年後情報コースを設置するそうです。

 

特色化が進んでいる背景として、大学の改革があります。センター試験が廃止されて新しい共通テストが実施されるにあたり、私立大学も含め、大学側の選抜の方法が変わり、「この学校で何を学びたいのか」を明白にする必要があるそうです。そして学力レベルではなく、自分のしたい勉強で大学を選ぶことになるらしいのです。

したがって、今までのように1つの私立大学で複数の学部を受験したりすることはできなくなるかもしれません(大学の経営上絶対にやらないと思いますが)。

 

2年後にそんなことが可能なのかという疑念もありますが、このようなことが今回の公立高校の再編につながったのだと思います。個人的にはこうした流れは良い方向だとは思います。個人の能力が重要視されるなか、「自分とは何か」「自分は何がしたいのか」「自分には何ができるのか」を早い内から意識させることは大切だと思います。

 

しかし、だから特色をたくさん作りました、と言われても中学生は困惑するだけでしょう。多くの中学生は普通科に行きたいはずです。普通科に行くことが無難であるし、そこまで特色の意義を意識していないからです。特色の中にやりたいものがない、という声もあると思います。国際化で英語が必要だということがわかっていても、英語が得意な子しか国際高校は受けないでしょうし、地域を学ぶといっても、中学校でそのような勉強をしていないのに、どれほどの子が興味を持つのでしょうか。また、卒業後の不安もあると思います。進路が見えにくかったり、逆に固定されてしまうようなイメージが強くなるからです。何より英語や数学が得意な子はまだ選択肢がありますが、国語が得意な子はどこへ行けばいいのでしょうか。公民が好きな子はどこへ行けばいいのでしょうか。

 

どうせするのなら、普通科は奈良高校・畝傍高校・郡山高校だけにして、残りはすべて特色にし、誰もが自分のやりたい勉強を重点的にできるような体制にする方が良いのではないかと思います。

 

特色を生かすことは大事だと思います。しかし受入れが限られているという点、中学生の特色に対する意識が薄い点。これらを直さない限り、残された普通科の奪い合いになると思います。

 

将来的には改善されると思います。しかし少なくとも今年の中3に限っては、ただ変革の犠牲になるとしか思えません。

 

次回は、入試改革も含めた今回の再編問題の引き起こす最悪のケースについて書こうと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

公立高校の再編問題③ ~教育委員会の過ち~

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月20日 

まずは前々回のもう1つの仮想の疑問である「少子化による生徒数減少の対策は、高校を減らすのではなく各高校の募集人員を大幅に減らせばよいのではないか」に対する個人的見解です。今日のメインテーマは後半です。

 

その答えは「社会で生きていく上で、大人数のいる集団に身を置く経験が必要であるから」です。社会に出てから、望まずに大集団に属することが時として起こりえます。そのような時に小さなコミュニティーしか知らずに育った場合、対応ができなくなる可能性があります。そもそも学校とは集団生活を学ぶ場ですから、小・中・高とステージが上がるにつれ人数が増えることが望ましいと考えます。また、人数が多いということはそれだけ多くの人間を知ることができ、自身の多様性の成長にもつながります。

また、県の立場からすれば、高校を減らせばそれだけ人件費等の予算が削減できるので、それを他の有意義なことに回せるという行政的事情も考慮する必要があります。浮いた予算が残された高校の充実のために使われたら、むしろその方が子供にとっても国にとっても幸せなことだと思います。

 

前回の話と合わせての結論ですが、「学校を減らして倍率を上げることが最も妥当な選択である」と考えます。子供の成長は国の成長にもつながります。母校がなくなる方も個人としてだけではなく、国家としての視点も合わせて考えてみられてはいかがでしょうか。

 

 

ただ、教育委員会が昨年平城高校を受験した人に廃校することを何も伝えていなかったことは許し難いことです。「無くなることが分かっていたら受けなかった」という生徒も多かったと思います。本来は方針を明らかにして2年後に実施するべきなのです。そうすれば、その前年に入学した人(無くなることを知らずに入学した人)が3年生になった時に1年生がいないという悲劇は起きなくなります(無くなることを知って入学する人は仕方ありませんが)。たった1年遅らせるだけで解決する話なのに、教育委員会は本当に子どものことを考えているのか、と思わざるを得ません。

 

また一方で、今年の3年生は入試制度も大幅に変わります。学校で思考力や表現力を教わっていない(教えているのかもしれませんが、少なくともうちの塾生を見ている限りそのような力は身についていません)今の3年生に新傾向の問題を解かせること自体に無理があります。彼らはその根底となる読解力すら十分に育っていません。問題と答えを覚えることがテスト勉強と考えて(事実、読解力を問う問題はできなくてもそれなりの点数にはなる)、テスト前はひたすら暗記と計算パターンの練習を繰り返す勉強をして育ってきた彼らに、育てていない能力を問おうとしているのです。しかも教育委員会はどのような問題を出すのか公表していません。どうやって対策を立てろというのでしょうか。そのうえ高校再編の過渡期で先が見えないという苦しみと合わせた二重苦(本来の入試の苦しみも足せば三重苦)を与え、子供たちは大人の都合に振り回されているようにしか見えません。「自分の行きたかった高校が無くなる」「学校で教わったことだけでは問題が解けず合格できなかった」そうした子が大量に現れる、おそらく過去数十年の中で最も気の毒な学年になるかもしれません。

 

何度も言いますが、教育委員会の方針は賛成です。ただ、本当に子供のことを考えているのか、誰のための教育委員会なのか、とは思います。もちろんその根底にあるのは国家の教育プログラムですので、高校を減らす話は別として、入試制度改革や特色化の流れは、国が大学を変えているからそうなっただけで、つまりは国の政策が順番を誤っているのです。ゆとり教育の時もそうでしたが、大きな改革をするときは小学1年生から変えていくべきで、学年の途中から教育方針を変えると子供と現場の先生方が混乱するだけなのです。

 

そしてもう1つ大きな問題は、今回の再編は平城高校に加え、最も人数の多い中間層が受験する登美ヶ丘高校や西の京高校なども対象になっており、しかも特色の強い学校に変更しようとしていることです。次回は特色高校の意義について書きたいと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

公立高校の再編問題② ~「正常な競争」とは何か~

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月19日 

前回、「現在の公立高校は正常な競争が行われているとはいえないので、公立高校の倍率を上げるためにも統廃合はやむを得ない」と書きました。今回はその「正常な競争」についての個人的見解です。

 

高校の入試制度は、「人は生きていくために競争という現実がある」ということを知る成長過程の中で必要な機会であると私は思っています。また、「世の中は思い通りには行かない」ということや、「望みを叶えるためにはやりたくないこともやらないといけない」ということを知ったりもできます。年齢的にも15歳という丁度いい時分です。これらはクラブなどでも身につけられるではないか、と思われる方もおられるかもしれませんが、大会の勝ち負けや、スタメンかベンチかよりも、どこの高校に行ったのか、どういった手段でその高校に行ったのか、ということの方が、その子の人生に与える影響は遙かに大きいと思います。

 

なぜなら、前者は通う高校によって出会う人が異なるからです。誰と出会ったかが特に成長過程の間は重要だと私は考えます。人は常に他人の影響を受けています。その人を作るのは周りの人です。友人や先生、先輩後輩、あるいは自分と合わない人や自分の常識に収まりきらない人、どんな人と出会うかは行く高校によって全く変わります。彼氏彼女も行く高校によってできたりできなかったりもするでしょう。中学校は選べませんが高校は選べます。もちろん誰と出会うかは入学するまでわかりません。しかし高校選びを真剣に考えれば自ずと期待値は上がります。すると、自分の通う高校が好きになり、結果良い出会いは多くなります。

また、単純に進路先の傾向が高校によって大きく異なることもあります。

 

後者ですが、私は割と楽をして高校に行きました。そしてその高校が嫌いでした。結果、そこそこの進学校でしたが、大学へ行くのに何年も浪人をしました。私はこれまでの人生の中で3回大きな後悔(過ち)をしています。その1つが高校の選択です。高校の選択や高校入試を安易に考えず、もっと真剣に取り組んでいれば、仮に通う高校が同じになったとしても人生は明らかに変わっていただろうと思っています。

 

人間は真剣に必死に物事に取り組む人ほど成長します。この点はクラブも共通しています。ただ、勉強を好きでやっている子は多くありません。そこがクラブと決定的に違うところです。「やらなくていいならやらないけど、やらないといけないからやっていく。そしてそれをする内に楽しい部分を見つけていく」。ここが同じ努力をしていてもクラブ以上に価値があるところだと考えます。野球が好きでサッカーが嫌いな子を野球部があるのに無理矢理サッカー部に入れてその子の人生を変えさせるほどの価値を果たして出せるでしょうか。

 

答えまで長くなりましたが、この「自分の成長のためのやりたくもない努力」をするのに必要なのが「正常な競争」です。ほぼ誰もが入れるような入試でそこまで真剣に勉強するでしょうか。「落ちるかもしれない」という恐怖心がより努力をかき立て、必死に取り組ませ、人を成長させるのです。

 

ちなみに私は1974年生まれで、今年44歳になります。いわゆる団塊ジュニアの最後の年の生まれです。さすがに私が高校を受験したときの倍率は覚えていませんが、今よりは遙かに高かったと思います。もちろんそこまでの状況に戻すべきではありませんが、今の倍率よりは高くなった方が良いと思います。具体的には40人中7人~10人くらいが不合格となる1.2倍~1.3倍くらいが公立一般入試では適正であると思います。

 

前回、もう1つ仮想の疑問を立てていましたので、次回はその回答をしたいと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

公立高校の再編問題① ~再編の必要性~

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月18日 

今朝、大阪府北部を震源とするかなり強い地震がありました。命を失った方もおられ、ご冥福をお祈りするとともに、火災と異なり未然に防止することのできず、いつ起こるか予想できない地震に対し、日頃地震の少ない奈良県でもすぐ近くに生駒断層があることも踏まえ、その備えの必要性を改めて感じさせられました。

 

さて、今回のテーマです。

奈良県教育委員会の入試改革も大きな問題ですが、それ以上に重要なのが、県立高校の再編問題です。これも長引きそうですので数回に分けて書こうと思います。

 

ご存知の方も多いと思われますが、6月9日の奈良新聞によると、

平城・登美ヶ丘・西の京高校を廃止し、平城高校跡地に奈良高校を移転させ、登美ヶ丘高校を「国際高校(仮称)」に、西の京高校を「奈良県立大附属高校(同)」とし、榛生昇陽高校と大宇陀高校、吉野高校と大淀高校をそれぞれ1校に統合し(ただし校舎は両方残す)、高円高校は「芸術高校(同)」に変更する。とのことです。また、平城高校は来年(現在の中2生)から募集を停止し、登美ヶ丘高校は来年から、西の京高校は再来年から名称を変えて募集するとのことです。

 

母校が無くなるということで反対される方も多いですが、本当にかわいそうなのは、無くなることを知らずに今年平城高校に入学した人で、3年生になったとき1年生がいないわけですから、この再編の一番の被害者といえるでしょう。また、中南部の統合される4つの高校も校舎は残すものの、卒業まで同じ高校にいられる保証はありませんし、榛生昇陽高校は統合されてまだ14年でまた統合という憂き目に合っています。登美ヶ丘高校や西の京高校に入学した人も卒業する時は別の高校の名前で卒業する学年の人も出てきます。

 

ただ、個人的には教育委員会の考えはとても理解できます。母校がなくなる方の気持ちもわかるのですが、現実に即すため痛みを受ける人が出るのは行政執行上やむを得ないと言わざるを得ないところはあります。

 

なぜなら、反対派の意見の1つに「奈良県は人口が同程度の他県と比べて高校の数が少ないので統廃合の必要はない」とありますが、昨年の倍率をご存じなのでしょうか。

最近3年の県全体の一般選抜の倍率は1.08倍→1.06倍→1.04倍と減少の一途です。昨年一般入試で最も高かったのが一条高校の1.28倍。県トップの奈良高校は1.06倍(不合格者21名)しかありません。これが正常な競争といえるでしょうか。隣の大阪府普通科全体の倍率が1.18倍、堺市のトップ校である三国丘高校は1.52倍であったことを考えると奈良県の倍率は低すぎると言わざるを得ません。

さらに今年の県全体の中3生は昨年と比べ113人しか減っていませんが、今の中2生は昨年の中3生と比べ540人減っており、中1生ともなると949人も減っています。

奈良県では2人に1人が一般選抜を受験(県側は「受検」と呼んでいますが一般性を優先して「受験」と書きます。)しています。すると現在のままでいくと来年(今の中2)の受験者は270人減る計算になります。昨年の一般選抜受験者総数は定員の+180名でしたので、来年の入試で県全体では定員割れとなり、再来年(今の中1)は受験者総数が定員より215名も少ない計算になります。これでは学校の数を減らすと言われても仕方がないと思います。

 

ここまで読んで頂いた方には、「募集人員を大幅に減らせばよいのではないか」「正常な競争とは何だ」と言う意見も出るかと思われます。次回はそれらに関する個人的な見解を述べたいと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

公立高校の入試改革③

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月15日 

前回の続きです。

公立高校の入試改革で気になる最後の1つは出題の難易度です。

たいてい1年目は難しくないのが相場ですが、断定することはできません。いずれにせよ、今回の入試改革で今年度の受験者は2つの結果が予想されます。

 

1つ目は新傾向の問題が簡単だった場合。

この時は逆転現象が起きやすくなります。つまり、合格できるはずの子が合格できない、あるいは合格できなさそうだった子が合格する、といった結果になります。なぜなら、いくら問題を易しくしても目新しい問題ができない子は本当にできないですし、逆に、あまり勉強していなかった子や難しいことが理解できない子でも、勘の良い子は得点ができる問題がこの場合は多くなるからです。

つまりこの場合は新傾向問題が解けるかどうかが最も大きなポイントとなります。

 

2つ目は新傾向の問題が難しかった場合。

この時は上位層と中間・下位層の格差が顕著に表れます。

勉強が得意な子は、基本どんな出題形式にしても正解します。しかし中間層以下の子は基本解けませんので得点が大幅に下がります。その場合は内申勝負になります。極端な話をすれば、新傾向問題が50点満点に含まれるのであれば、最初から満点が下がっていることと同じですので、その分内申のウエイトが上がるということになります。ですので、内申が今まで以上に重要になります。「受験勉強はクラブを引退してから」と考えている人は、1学期が終わった時点で内申の3分の2が確定していることをもう一度思い出してほしいと思います。

つまりこの場合の中間・下位層は内申が最も大きなポイントとなります。

 

とはいえ、私の塾には大瀬中学校の生徒が多く、現在は大中生のみです。ご承知の通り大中は奈良県下では内申がつきにくい学校で有名です(生駒市全体がそうですが)。内申を合否判定に使うのは構いませんが、学校によって内申の基準が異なるのであれば公平性の観点から、例えば試験を各教科100点満点にするなど、内申のウエイトを下げるべきだと思います。あるいは中学校が3年かけて思考力や表現力を伸ばす教育をした上で新しい入試を行うのが本来だと思います。そして現場の先生方も含め、これ以上子供たちの負担を増やさないため、学習内容は減らすべきだと思います。

 

ここまで3回に渡って公立高校の入試改革について思うことを書いてみました。結論は「方向性は賛成であるが今年からすべきではない。」です。

皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回からは教育委員会のもう1つの大改革、「公立高校の再編問題」について書こうと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

公立高校の入試改革②

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月14日 

前回に引き続き、公立高校の入試改革についてです。

「勉強は役に立たない!」と多くの中学生が考える中、今回、奈良県教育委員会が発表した学力検査問題(わかりにくい表現ですので今後「入試問題」と書きます。)の変更の方向性は正しいと思います。中学生に「学校の勉強をすることは無駄ではない」と感じさせる可能性が高いからです。ただし、気になることが3点あります。

 

1つ目は、生徒の負担の問題です。

現行のままだと負担が増えるだけです。ただでさえゆとり教育終了後の学習内容や覚えるべき量の増加に生徒たちが苦労していた中、それらを改めることなしに新しい内容を追加することが果たして正しい方向といえるのでしょうか。また、現場の先生方も十分な指導ができるのか疑問に思います。1年間で教科書1冊が終わらない数学・理科・社会は、すでに現状で多すぎるということを明白にしています。

確かに知識偏重の出題は公立高校に限れば抑えられている気もします。しかし公立の受験者は私立高校も併願で受験するので結局知識量は必要になります。

なにより、中学校の定期テストで思考力や表現力はあまり問わず、大量の知識を覚えないと点が取れないようなテストをしている限り、生徒は二重で苦しめ続けられることになります。

ただ、最も誤っているのは学習指導要領を作成している文部科学省であるということは言うまでもありません。なお、文部科学省の問題については後日改めて書く予定です。

 

2つ目は、まだ発表されていませんが、各教科の配点です。

仮に新傾向問題が20点あったとして、現行に加算しての20点であれば70点中の20点になりますが、満点が現在の50点のままであると、50点中の20点が新傾向問題になります。

もし、後者であれば、特に今年度の入試は従来のデータが役に立たず、成績上位の子が上位校に合格できなかったり、下位の子が上位の高校に逆転合格することもあり得ます。ただそれはもう1つの改革と相まって、かつてない恐ろしい出来事を引き起こす可能性も孕んでいます。これは来週明らかにします。

 

次回もこの続きを書こうと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

公立高校の入試改革①

estelkyoiku@gmail.com 2018年06月13日 

先月奈良県教育委員会から、公立高校の学力検査問題(いわゆる入試問題)の出題内容の変更と検査時間(いわゆる試験時間)の変更が発表されました。

入試問題については、大学入試改革の影響による、「思考力」や「表現力」の強化が打ち出され、それに伴い試験時間が各教科40分から50分へ変更されました。特色入試に関しては発表がなかったので変更はないものと考えられます。

「思考力」や「表現力」に関しては、奈良県では以前から取り組んでおり、典型的な問題が、数学の大問3の太郎君と花子さんが会話する問題や、英語の意見表明をする英作文などが挙げられます。ですので、今後はそれらを拡大することが考えられます。さらにいえば、日常生活や現代社会の問題をテーマとすることにより、より実践的な出題がなされることも予想されます。また、試験時間が長くなるということは、読解力を試す問題や記述量の増加も考えられます。

しかし、当然といえば当然ですが、学生はこのような問題が苦手です。なぜなら学校の勉強を日常生活と結びつけたり、逆に日常生活から何かを学ぼうとしたりする意識が薄いからです。「勉強は勉強時間に机に向かってするもの」と考えている内は、今後の入試問題で点数を取ることは難しくなると思います。さらに、文字を読んで考える機会が少なく、文章を書くこともあまりしないので、なおさら点数は取りにくくなります。

なお参考となるのが、いち早く新傾向化に対応している滋賀県の問題です。以前の滋賀県は奈良県と問題傾向が似ていたので、言い切ることはできませんが、似たような感じになることも予想されます。

次回は、このような新傾向への変化の是非について書きたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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